■耳鳴丸(じめいがん)
■耳鳴丸(じめいがん)は、名前の通り耳鳴りの薬として、古くから使われてきました。
耳鳴丸は、六味地黄丸の六種の生薬に「磁石(じせき)」と「柴胡(さいこ)」の生薬を加えたものです。
「腎は耳に通じる」
耳鳴りや難聴は、体の老化に伴い起こってくるのがふつうで、腎臓の衰弱が大きな原因となっていると漢方では考えられ、このようなわかりやすい表現があります。
また、耳鳴りがする場合、肝臓は大抵異変を起こしており、めまいがしたり熱を生じていることが多いようです。
漢方では、こういう状態を「肝の火が上がっている」と表現をします。
生薬としての「磁石(じせき)」は、鎮静作用があり精神安定作用があります。
「柴胡(さいこ)」は、セリ科の植物の根から採れる生薬で肝機能を高める作用があります。
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■耳鳴りは
耳鳴りは、周囲に音源がないのに音を感じる状態で、音色も音の大きさも人によって異なります。耳鳴りが起こる仕組みはよくわかっていませんが、耳鳴りが起こっているときの多くの場合は、同時に難聴を伴っていることがわかっています。しかも耳鳴りが起きている音とほぼ同じ質の音が聞こえにくくなるという難聴を伴っていることがわかっています。したがって、耳鳴りがある場合は、難聴を起こす病気を疑う必要があります。
■難聴を起こす病気
難聴を起こす以下のような病気は耳鳴りを引き起こすことが多くあります。
・ 老人性難聴:加齢に伴い、通常、両方の耳に起こります。「キーン」という高音の耳鳴りが多い。
・ メニエール病:中年層の女性に多く見られ、激しいめまいとともに起こる。片方の耳に起こることが
多く、「ゴー」「ザー」という低い音の耳鳴りがする。放置すると難聴が残る。
・ 急性低音障害型感音難聴:メニエール病と同様、低音の難聴と耳鳴りがするがめまいは起こらない。
耳鳴りと難聴の発作を何回も繰り返すとメニエール病に移行していく。
・ 突発性難聴:はっきりした原因がなく、突然、難聴、耳鳴りが起こる。音に特徴がないが、「いつから聞こえが悪くなった」とはっきり自覚できる。片耳に起こる。
・ 音響性難聴、騒音性難聴:音がうるさい環境にいたことで難聴になるもの。
これ以外に難聴を伴わない耳鳴りもあります。その場合はストレスなどによる心因性の耳鳴りが考えられます。また老人性難聴では、初期には難聴の自覚がなく、耳鳴りだけが聞こえるということもあります。
■耳鳴りとつきあうには
耳鳴りには一時的な耳鳴りと持続的な耳鳴りの2種類があります。一時的な耳鳴りは原因を調べれば治ることもありますが、持続的な場合は、なかなか治りにくいといわれています。耳鳴り自体を治すのが難しくても、生活に支障のないように上手につきあっていく方法や苦痛を取り除く方法があります。
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